おせちを重箱に詰める意味は
おせち料理の由来は、平安時代までさかのぼるといわれます。季節の節目である5節句に宮中で催された宴で、季節の収穫を神様に感謝するためお供えされた食べ物が「御節句(おせちく)」と呼ばれ、江戸時代頃から一般庶民でもこの行事が広まると、5節句のなかで最も重要な節目である、正月を祝う料理がおせち料理と呼ばれるようになったのです。おせちが現在のような重箱に詰められるようになったのは明治時代頃。一般的に広まったのは昭和の戦後復興期に、デパートが見栄えも良くコンパクトでお客にも振る舞いやすい重箱詰めで販売してからといわれます。
神様に捧げるご馳走の意味をもつおせち料理を、重箱に詰めて重ねることで「福を重ねる」という縁起もかついでいるのです。重箱の段は近年では3段や4段重が多くみられますが本来は5段重で、5段目は年神様からいただく福を詰めるため空っぽにしておくのです。各段に詰める料理の品数は、縁起が良いとされる奇数。4段目は「4」が「死」を連想させることから縁起かつぎで、与の重と呼ばれているのです。
それぞれの重箱に詰める料理は、地方や家庭によって異なりますが一般的には、1の重には祝い肴、数の子、田作り(イワシの佃煮)、黒豆。そして口取り、紅白蒲鉾、栗きんとん、昆布巻き、伊達巻きなどが詰められます。2の重には海の幸の焼き物、おめでたい鯛や長寿を願う海老、出世魚のブリ。3の重には山の幸、レンコンや里芋、クワイなどの煮しめが詰められます。
そして与の重には、酢の物や和え物が入り、5段目は空になっているのです。おせちのことならこちら