お正月におせちを食べる意味
おせちとは、誰もが知っている日本のお正月のお祝い料理です。もともと暦の上での節句のことを「おせち」と呼んでいました。それがだんだん変化し、1年のいちばん初めの節句に食べる料理を指す言葉となりました。「おめでたいことを重ねる」という意味から重箱に詰められるのが一般的で、正式な数は4段です。
しかし近年では核家族化などもあり一世帯の人数も少ないですし、デパートなどで買うことも増えたため、正式なものを食べたことがあるという人は少なくなっているのではないでしょうか。まず、一番上のお重には祝い肴、口取りを詰めます。かまぼこ、数の子、栗きんとん、黒豆などがそれに当たります。2番目のお重には、焼き物として鯛や鰤などの焼き魚、車海老などの海の幸が詰められます。
三の重には、紅白なますなどの酢の物を入れます。四の重には、煮物を詰めます。里芋やクワイ、レンコンや人参の煮物、筑前煮などがこれです。地域によっても大きく異なりますが、三段や二段に納めるという場合もあります。
おせちには、おかずのひとつひとつに意味があることでも知られています。例えば黒豆は、黒々と日焼けをするまで勤勉に働けるようにという願いが込められています。「まめに働けるように」という語呂合わせの言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。このように、すべての具材に健康や長寿、子孫繁栄、豊かさなどを願う意味が込められており、とてもおめでたい料理なのです。